【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!
「それで? 君は、二夜目を越えるまで、そこに立てこもっているつもり? 晩餐はいらないかな。シェフが張り切って、美味しいブイヤベースを作ったそうだよ」
「まあ素敵。けれど、我慢いたします。レオン様の恋のためですもの。わたくし、こう見えて我慢強いのですわ。王太子妃になるための節制の日々を思えば、これくらい平気です」

 美味しいものを食べられないよりも、レオンに不幸な結婚をさせてしまうほうが、キャロルは嫌だった。
 レオンは扉の向こうで沈黙している。

 姿が見えないので子細は分からないが、沈黙は不満のサインだ。
 悲しんでいるか、怒っているか、戸惑っているかのどれかだろう。

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