円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
『このこと、教頭先生以外に知ってる人は?』


凛音が尋ねた。


『いえ。他の人にはまだ話してません』


『いい判断だね。君は口が固いようだ』


『凛音様…私…これからどうすればいいんでしょうか?』


赤田さんは、うるうるした瞳で凛音を真っ直ぐ見つめた。


寒さに凍える子猫みたいに…


『まずは僕らが学校に行ってみる。いろいろ探ってみたいからね。赤田さんには協力を頼むよ。探偵だとバレないように…』


『でも凛音、どうやって入り込むの?』


『…そうだな。優愛高校演劇部の取材とか…地元新聞と名乗れば怪しまれないか…』


って、簡単にいうけど、そのイケメンぶりでは目立たない?


兄弟だから、どことなく初音ちゃんと顔や雰囲気も似てるし…


バレないのかな…


ちょっと心配。


『ありがとうございます…凛音様。どうかこの脅迫状の送り主を探して下さい。誰が何のためにこんな物を送ってきたのか…みんな頑張って練習してるので、やっぱり…今さら劇を中止に出来ないし。でも…私、怖くて』
< 24 / 103 >

この作品をシェア

pagetop