今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
でもあの調子だと、まだ付き合っているとかそこまではいってなさそう。


もしも、付き合いたくなったら部活が障害になったりするのかな。


「でもまさかあの歌ちゃんがな」


西原くんが含み笑いする。


「うん、部活のことがちょっと気になるけど」


「歌ちゃんだったら大丈夫だろ、強そうだし食いしん坊だし」


「アハ、食いしん坊は関係ないって」


「それだけパワーがあるってこと」


「西原くんたらまた歌ちゃんに怒られるよっ」


そう言って西原くんとクスクス笑いあった。


それから帰り道、西原くんとさっきの歌ちゃん達の話をしながら家路についた。


西原くんは兄と約束した通り、今日ずっと私の隣にいて他の男子が近づかないように守ってくれているみたいだった。


そしてこうして家まで送り届けてくれた。


だけど、うちの家の前に着いた途端サッと緊張した表情になる。
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