今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
「でも、この先何かあるみたいな言い方でちょっと不安になります」


「お気になさらないでください」


「俺と千桜は兄妹だからやっぱりこの先が大変そうに見えますか?」


「お二人のお気持ちさえしっかりしていれば大丈夫です」


「俺は……俺には彼女だけです。この気持ちは誰にも変えられない。
たとえ誰に反対されても諦められないです」


他の誰かに自分の気持ちをはっきりと言ったのは初めてだ。


言葉にすることでより決意を固めたかったのかもしれない。


矢代さんは真面目な顔で頷いてくれた。


「坊ちゃんはとても気持ちの強いお方です。私は誰より知っています。
ですが、相手にもそれを求めすぎないほうがいいです。
焦ってはいけません」


「はい、俺もそう思います」


矢代さんの言いたいことはわかる。


執事という立場を超えて俺自身に助言をしてくれていることも。


「俺、早く一人前になりたいです。
ちゃんとみんなに認めてもらえるように。そのために努力は惜しみません」
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