【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。



 今、美央ちゃん何をしているんだろうか……挨拶が終わったらすぐにでも行こう。
 

「今日は楽しんでね」

「はい」


 五十嵐社長にそう言われてこの場から去ると、業界の方々に親父と挨拶をする。飯嶋議員と海斗を見つけた。
 俺らが近づくと、親父同士が「いつも倅がお世話になっております」「いえいえ、こちらこそ」と典型的な挨拶を始めていて子どもの俺らは話に入れない話になりこの場から海斗と離れた。


「哉斗ちょっと、あっち見て」

「……? 何?」


 海斗はあっちの方を指差してそう言った。俺は指を差した方向を見ると超派手な女性がいるのが見える。このパーティーにふさわしくないんじゃないかな、と気楽に思った。


「なんもわからない? あれ、里村ももだよ」

「は? こんな場所にいるわけないだろ。ここは招待されなきゃ来れねーじゃん」


 このパーティーは、五十嵐家で行われる為に五十嵐社長が直々に招待状を送った人しか入ることができない。だから令嬢でもなんでもない一般家庭のヤツが入ることは不可能なはずだ。




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