きるみー
彼は一人暮らしの私の部屋に頻繁に出入りしながらも、
私にキス以上の事をする事はずっとなかった。


私を大切にしたいからと。


それ以上の関係になったのは、
付き合って3ヶ月の記念日に、
初めて彼が私のその部屋に泊まった時。



彼とのそれは、ごくごく普通に行われていた。


そして、その瞬間。


「えっ…初めてじゃないの?」


痛がらない私に対して、
再度確認するようなその言葉。


過去、それなりに彼氏がいた事がある私は、それなりに経験はあった。


「―――ふざけんなよ…。
お前、過去に俺以外の男と…」


まるで私が騙していたかのように、
彼は憤慨し、それ以上に私に失望していた。


だけど、それでも私と彼との付き合いは続いて行く。


その日を境に、彼との付き合いは歪んで行く――――…。

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