きるみー
多分、それは世間でいうDVってやつかな。



段々と、彼は私にDVをするようになった。


始まりは、何かの弾みで平手で殴られた事だった。


それがきっかけで、
彼は私に手をあげる事が日常になった。


大量の髪が抜ける程、髪を掴まれる事なんか、毎夜のようにあり。


初めは、見えない所しか殴ったり蹴ったりしなかった彼が、
見える場所も段々と攻撃するようになり、
私の体は全身痣だらけ。



次第に、私に対する彼のそれは周りに知られ、
そんな男とは別れた方がいいと、口々に言われるようになった。



それは、優しい彼を知っている、
同じファミレスの人達にも。


このご時世だからか、友人の一人が私に一緒に警察に相談に行こうと言い出した。


このままじゃあダメだと。


‘いつか、その彼に殺されるよ？’



友人のその言葉に、私は衝撃が走った。




だけど……。



結局、私はその友人の助言には従わず、
このまま様子を見る事にした。






私の前で強く荒ぶる彼が、
本当はとても気が弱い事を知っている。



だから、私が自分から離れて他の男に行かないか、彼は心配で仕方ない。


そして、弱者の女である私に暴力をふるい、
彼は自分の心の中にある、何かを満たしている。


愛情表現は、きっと人それぞれ。


彼はとても、私を愛している。



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