私が素直になったとき……君の甘過ぎる溺愛が止まらない

2.立候補




 合コンで松尾に再会した翌日。


 今は閉店後の後片付け中。


「店長」


 そのとき。
 一緒に後片付けをしている政輝くんが声をかけた。


「昨日、彼氏と一緒にいたんですか」


「……⁉
 えっ⁉」


 かっ……彼氏っ⁉


 政輝くんが驚くことを言ったから。
 それ以上、言葉が出てこない。


「あっ、突然すみません。
 昨日、店長が男の人と一緒にいるところを見たので」


 見られていたんだ。
 政輝くんに。


「同級生だよ。
 たまたま、ばったり会って」


 なんとなく。
 言えなかった。
 合コンで偶然再会した同級生とは。


「そうだったんですね。
 あの、話は変わるんですけど、
 次の休みって俺と同じ日でしたよね」


「そうだと思うけど」


 どうしたのだろう。
 休みの日の話をして。


「その日は予定とかあるんですか?」


 ……?


「まだ何も決まってないけど……」


「それなら店長の時間を俺にくれませんか」


「え……?」


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