私が素直になったとき……君の甘過ぎる溺愛が止まらない

4.一夜明けて




 聖志の部屋に来て、一夜明けた。

 結局……。
 聖志の部屋に泊まってしまった。


 今は……。
 聖志とベッドで……。


「遥稀、可愛い」


 聖志にそう言われながら。
 おでこ、頬、耳、首筋などにキスを落とされる。

 それが、すごく、くすぐったくて恥ずかしくて。


「恥ずかしそうにしている遥稀も可愛い。
 そんなにも可愛いと、ずっとこうしていたくなる」


 聖志はそう言って。
 そっと唇を重ねる。

 それはすぐに。
 深く、そして甘く。

 甘い甘い蜜のように。


 このままでは。
 私も聖志から離れたくなくなる。


 だけど。
 午後から仕事がある。

 だから帰らなければ。


 そう思った私は聖志の背中をポンポンとした。


「どうした、遥稀」


 合図に気付いた聖志は、そっと唇を離した。


「今日、午後から仕事があるから帰らなくちゃ。
 ……私も、まだ聖志と一緒にいたいけど……」


「そうだったな。
 寂しいけど、今はここまでか。
 じゃあ……」


 じゃあ……?


「一緒に風呂に入って、それから朝飯食って、
 そのあと家まで送ってく」


 ……え。


 今、何て言った?


「……聖志?」


「なに、遥稀」


「今……なんて……」


 聞き間違いだよね……?


「朝飯食って送ってく、って」


「……その前に何か言わなかった……?」


「あぁ。
 一緒に風呂に入る、って」


 やっ……やっぱり‼

 聞き間違いじゃなかった‼


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