私が素直になったとき……君の甘過ぎる溺愛が止まらない
共に(続編)



 一年後――。



 今も。
 私と聖志は順調に交際を続けている。



 今夜は。
 仕事を終えてから聖志の部屋に来ている。

 明日の仕事は午後から。
 なので泊まっていくことに。

 次の日が休み、もしくは午後から仕事の場合は聖志の部屋に泊まることが習慣になっている。

 聖志の部屋で過ごす。
 それは私にとって癒しとなっている。


 だけど。
 今は。
 少し……いや、かなり緊張している。

 その理由は。
 聖志に報告することができたから。

 それを聞いたら。
 どういう反応をするのだろう。



「遥稀」


 そう思って緊張していると。
 聖志が私の名前を呼んだ。


「なぁに、聖志」


「少しもにおわせないで突然こういうことを言ったら驚くかもしれないけど……」


 ……?

 なんだろう。


「ありきたりな言葉になってしまうけど……
 俺と結婚してください」


 あまりにも驚き過ぎて。
 すぐに言葉が出なかった。


 その間にも聖志は私の目の前に婚約指輪を出していた。


 聖志からのプロポーズ。
 すごく嬉しい。

 私も聖志と結婚できればいいなと思っていた。


 だから早く声に出さなければ。


「……はい」


 なんとか声を出すことができた。


 私の返事を聞いた聖志はとても喜んでいた。

 そんな聖志を見ていると私も嬉しくなった。


 って。
 喜んでいる場合ではなかった。

 聖志に伝えなくては。

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