お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。


「碧のバカ」


そう言ったあとに、電車がとまってとある駅に到着。
学校の最寄り駅まではまだあと5駅。


「うしろのドアが開くみたいです」


碧はわたしの手をつかんで、なるべく端の方に移動、したけれど。


ドアが開けば、車内に乗っていたたくさんの人が一気におりていく。

ドア付近にいるわたしたちは邪魔になってしまって、人の波に流され……。
碧とわたしは電車をおりてしまった。


急いで電車に乗りなおそうとしたが、その電車にはたくさん人が乗っていって。
わたしたちが乗る余裕はなさそうで、電車を見送った。


……まさか、登校するのがこんなに大変だとは。
電車には今まで数回乗ったことがあるけれど、朝はこんなに人が多いなんて知らなかった。


これが噂の通勤ラッシュ!
……恐ろしい。

人はものすごくたくさんいるし、駅は広いし……人酔いしそうだ。


「お嬢、顔色悪いですよ。どこかに移動して休みます?」


顔を覗き込んでくる彼。


大丈夫、と返したいがあまり大丈夫ではないかも。
友だちをつくりたくて、学校に早めに到着するように計算して家を出たから、きっとまだ時間に余裕はあるはず。

少しだけなら休んでもいいよね?

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