お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。
*
病院から帰ってきて、組員が作ってくれたお粥を食べて、薬を飲んで。
自分の部屋のベッドで寝ていたんだけど、目が覚めた。
もう一度寝ようとしても、どうしても眠れない。
眠気がくるまでなにかしていようかな、とも思ったけど頭が痛すぎてなにもする気になれない。
……寒い。
それから、熱のせいか強く感じるのは寂しさ。
部屋に1人は寂しい。
……あおい。
心が碧を強く求めて、1人が耐えられなくて体が動いて。
ベッドから起き上がり、枕を持ってふらふらしながら向かった碧の部屋。
襖を開ければ、彼はベッドに横たわったままぱちりと目を開ける。
「……お嬢?」
聞こえてくる声。
「……一緒に寝る」
それだけ返して、滑り込むようにベッドに侵入。
隣に枕を置いて、即寝る準備。
あまりにも寒くて、ぎゅっと碧に抱きつけば温かさが使わってくる。
わたしより高めの体温。
やっぱり、温かくて安心する。
「……碧、あったかい」
「お嬢……それはだめです。一緒に寝るのは去年が最後の約束ですよね?」
確かに、去年も熱が出た時に碧の部屋に来て、寝ようとしたら『来年は高校生になるので一緒に寝るのは今年までです』って言われた気がする。