青いチェリーは熟れることを知らない② 〜春が来た!と思ったら夏も来た!!〜
(……センパイ泣きそうな顔してる……)
ちえりは精一杯の想いを唇へのせて、瑞貴へ触れるだけの口づけをした。
「ちえり……?」
最初は驚いた顔をしていた瑞貴だったが、唇が離れ、ちえりの触れていたそれがきゅっと引き結ばれると――
「……っ」
瑞貴の心は行き場のない悲しみが一瞬にして広がって、例えようのない孤独感が押し寄せる。
「センパイ……私もです。だけど……」
申し訳なさそうに視線を下げたちえりは、心の内をポツリポツリと語り始めた。
「……っじ、じつは今日食べすぎちゃってっっ!!」
(ただでさえ標準の結構上限のほうに来てる体重なのにっっ!!)
距離を取るようにツツツッと離れていくちえりの腰を瑞貴がくすっと笑って抱き寄せた。
「どれどれ?」
「……へっ!?」
鼻先が触れるほど近づいた瑞貴の優しい笑み。
その何度見ても見慣れない眩しい王子スマイルに見とれていると……視界の外から伸びた瑞貴の手。それはパジャマの上から見事に丸みを帯びた腹部をそっと撫で、昔からくすぐられることにめっぽう弱いちえりは恥じらいもなく笑い声をあげてしまう。
「や、やめてっ! センパッ……ぎゃっはっ!!」
ソファの上でのけぞるちえりの腹部が不意に空気に晒されたかと思った次の瞬間――……
柔らかくあたたかな感触が豊満な(?)ちえりのそこを優しくなぞった。
「……んあっ!?」
咄嗟に口から飛び出した色気のない声に顔が真っ赤になって火を噴く。
「ちえり……昔のままだ」
安堵したような吐息とともに、ちえりに身を預けた瑞貴の愛しい重みが腹部を中心にのしかかる。
まるで心細さを訴えて抱きついて来る子供のように、腹部に頭を寄せた瑞貴の頭を優しく撫でた。
「え"っ!? ほ、ほんと幼児体系が抜けきらないまま大人になってごめんなさっ……」
(食べすぎたとか言いながら、お腹空いててもへこまないのはっ……これはっっ!!)
「……ん? 幼児体系?」
瑞貴のリアクションを見る限り、ちえりが言ったことは的外れのようだ。
しかし、ちえりが言ったことをすぐ理解した瑞貴はわずかに顔を上げ、目を細めながらちえりの頬に手を伸ばしてくる。
「ああ、違うよ。昔と全然変わらないリアクションだなって。すごく安心する」
「何も変わってませんよ」
頬を撫でる瑞貴の手の感触にうっとりしながらもその想いに応えたくて……自然と伸びたちえりの手は瑞貴の髪を指先で梳いた。
指をすり抜ける柔らかな髪を幾度となく見送り、甘くゆったりとした時間がふたりの間に流れると……突如、ちえり手を捕まえた瑞貴が手のひらに唇を押しあてる。
「……これからも?」
確かめるような瞳が真っ直ぐにちえりを捉える。
すこしの間に込められた意味をちえりは考えた。
それはきっと……これからも変わらず、ちえりが瑞貴のことを好きでいるか? そういう意味が込められているのだろうと。
「はい、これからもです。ずっと、ずっと……」
迷うことなくそう告げたちえりに安堵した表情を浮かべた瑞貴の顔が迫り、額や瞼、頬へと落ちてきた彼の唇は……やがて優しい口づけを唇に落とした。
「ちえりの心の準備が出来るまで待つよ」
「ありがとうございます。心と……お腹といいますか……アハ、ハハハ……」
ちえりは精一杯の想いを唇へのせて、瑞貴へ触れるだけの口づけをした。
「ちえり……?」
最初は驚いた顔をしていた瑞貴だったが、唇が離れ、ちえりの触れていたそれがきゅっと引き結ばれると――
「……っ」
瑞貴の心は行き場のない悲しみが一瞬にして広がって、例えようのない孤独感が押し寄せる。
「センパイ……私もです。だけど……」
申し訳なさそうに視線を下げたちえりは、心の内をポツリポツリと語り始めた。
「……っじ、じつは今日食べすぎちゃってっっ!!」
(ただでさえ標準の結構上限のほうに来てる体重なのにっっ!!)
距離を取るようにツツツッと離れていくちえりの腰を瑞貴がくすっと笑って抱き寄せた。
「どれどれ?」
「……へっ!?」
鼻先が触れるほど近づいた瑞貴の優しい笑み。
その何度見ても見慣れない眩しい王子スマイルに見とれていると……視界の外から伸びた瑞貴の手。それはパジャマの上から見事に丸みを帯びた腹部をそっと撫で、昔からくすぐられることにめっぽう弱いちえりは恥じらいもなく笑い声をあげてしまう。
「や、やめてっ! センパッ……ぎゃっはっ!!」
ソファの上でのけぞるちえりの腹部が不意に空気に晒されたかと思った次の瞬間――……
柔らかくあたたかな感触が豊満な(?)ちえりのそこを優しくなぞった。
「……んあっ!?」
咄嗟に口から飛び出した色気のない声に顔が真っ赤になって火を噴く。
「ちえり……昔のままだ」
安堵したような吐息とともに、ちえりに身を預けた瑞貴の愛しい重みが腹部を中心にのしかかる。
まるで心細さを訴えて抱きついて来る子供のように、腹部に頭を寄せた瑞貴の頭を優しく撫でた。
「え"っ!? ほ、ほんと幼児体系が抜けきらないまま大人になってごめんなさっ……」
(食べすぎたとか言いながら、お腹空いててもへこまないのはっ……これはっっ!!)
「……ん? 幼児体系?」
瑞貴のリアクションを見る限り、ちえりが言ったことは的外れのようだ。
しかし、ちえりが言ったことをすぐ理解した瑞貴はわずかに顔を上げ、目を細めながらちえりの頬に手を伸ばしてくる。
「ああ、違うよ。昔と全然変わらないリアクションだなって。すごく安心する」
「何も変わってませんよ」
頬を撫でる瑞貴の手の感触にうっとりしながらもその想いに応えたくて……自然と伸びたちえりの手は瑞貴の髪を指先で梳いた。
指をすり抜ける柔らかな髪を幾度となく見送り、甘くゆったりとした時間がふたりの間に流れると……突如、ちえり手を捕まえた瑞貴が手のひらに唇を押しあてる。
「……これからも?」
確かめるような瞳が真っ直ぐにちえりを捉える。
すこしの間に込められた意味をちえりは考えた。
それはきっと……これからも変わらず、ちえりが瑞貴のことを好きでいるか? そういう意味が込められているのだろうと。
「はい、これからもです。ずっと、ずっと……」
迷うことなくそう告げたちえりに安堵した表情を浮かべた瑞貴の顔が迫り、額や瞼、頬へと落ちてきた彼の唇は……やがて優しい口づけを唇に落とした。
「ちえりの心の準備が出来るまで待つよ」
「ありがとうございます。心と……お腹といいますか……アハ、ハハハ……」