双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
 誰かの力を借りずとも、自分の実力でトップに立ちたいと思う俺に母は甘いと言う。

 結婚はビジネスでもあり、自分にとって得になる相手とするべきだと主張する。なにより昔から知っている美野里のことが、可愛くて仕方がないのだろう。

 星奈や双子とたちと会ってほしいと言っても拒否されていた。
 でも今回の件を機に、少しでも気持ちが変わってくれていたらいいんだが……。

「社長は恋人様との結婚を賛成されているんですよね?」

「あぁ、早く孫に会いたいと言っている。父さんにも説得してもらっているけど、なかなか母さんが頑固でな」

「じゃあ専務は母親似なのですね」

「どういう意味だよ」

 ジロリと睨めば、永山はクスッと笑った。

「そのままの意味ですよ」

 離陸を知らせるアナウンスが鳴り、シートベルトを締めると少しして飛行機はゆっくりと滑走路に向かう。

「ですがきっと奥様も、専務の一途な想いを理解し、結婚を認めてくれると思いますよ。お写真で拝見いたしましたが、あんなに愛らしい双子のお孫様ができたのですから」

「そうだどいいけど」

 飛行機は離陸し、あっという間に空高くへと向かっていく。
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