双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
 店内とテラス席を合わせて百席以上ある広々としたカフェは、オシャレな小物や観葉植物もあって、過ごしやすい雰囲気だ。

 ここのカフェメニューも有名で、なにより珈琲が美味しいと評判。働くには最高の環境だと思う。

「でもここはいいかな」

「え、どうして?」

「自分のカフェをオープンさせるのが夢だって言ったでしょ? だから自分の理想と近いカフェで働きたいんだ」

 できるならずっと働けるような、素敵な場所で。

「そっか、じゃあ妥協せずにいい職場を探さないとだね」

「うん」

 優星君にも慌てずに探したほうがいいと言ってくれている。いざとなれば、彼の会社の保育所に双子を預ければいいとも言ってくれたんだ。

「それにしても香坂さんと再会してからというもの、すべてが順調に進んでいってるね」

「そうなの、あまりに幸せでちょっと怖いくらいだよ。……両親たちも顔を合わせてから、あっという間に仲良くなっちゃって。今ではどっちが星斗と星七を預かるかで、ちょっと揉めたりするほどに」
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