双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
「おいで、ふたりとも」

 優星君は軽々とふたりを同時に抱き上げた。嬉しそうに優星君にしがみつく星斗と星七を愛しそうに見つめた後、ゆっくりと私のほうへ歩み寄ってくる。

 距離が近づくたびに胸の鼓動が大きくなっていく。そして私の目の前で足を止めると、優星君はふわりと笑った。

「約束通り、迎えに来たよ星奈」

「優星君……」

 もう三年も前の出来事なのに、空港で別れた日のことを鮮明に思い出す。
 こうして優星くんが迎えに来てくれることは、絶対にないと思っていたのに。

「ママ、どうしたの? いたいいたいなの?」

「なかないで、ママ」

 急にオロオロし出した星斗と星七に言われて目元に触れると、無意識のうちに泣いていたことに気づいた。

「ごめん、違うの。ママは悲しんじゃなくて……」

 だめだ、胸がいっぱいで言葉が続かない。

「違うの? じゃあどうしてないているの?」

 心配するふたりに申し訳なくなる。だけど涙を止める術がない。

「ふたりとも、大丈夫だよ」

 そう言うと優星君は私に寄り添う。星斗と星七を抱っこしているから両手は塞がっている。それなのにこうして彼のぬくもりを感じられるほど近くに寄り添ってくれただけで、懐かしい温かさを感じられた。

「迎えに来るのが遅くなってごめん」

 どうして急に音信不通になったのか、なぜ黙って星斗と星七を出産したのか。聞きたいことはいっぱいあるはず。

 責められてもいいのに優星君はそれをしない。それどころか〝ごめん〟と謝る。

 そんな優星君がたまらなく好きで私は涙を止める術を失い、星斗と星七に心配されながら彼の腕の中で大泣きしてしまった。
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