双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
 これまで星奈のことははっきりと告げることはしなかった。俺がいない間に母が星奈に会いに行き、美野里との結婚を強引に進めるために傷つける可能性も捨てきれなかったからだ。

 しかし日本に帰ってきた今は、そばで星奈を守ることができる。それに星奈と結婚するには母に納得してもらい、美野里との婚約を早くに解消してもらう必要もある。
 いい機会だ、今星奈のことを話すべきではないか? そう思い、母に切り出した。

「母さん、俺には結婚を約束した女性がいるんだ。……イギリスに行く前から交際していた。それに彼女との間に双子の子供もいる。近々、彼女と入籍して一緒に暮らしたいと思っているんだ」

 事実とはいえ、母からしたら青天の霹靂だったはず。しかし俺の話を聞いても母はいっさい表情を変えなかった。
 どうしてなにも言わずに黙っているんだ? まるで最初からすべて知っていたかのように見える。

 様子を窺う俺に、母は小さく息を吐いた。

「本当、どうして優星はあんな女に引っかかったりしたの?」

「えっ?」

 まるで星奈を知っているかのような口ぶりに戸惑う。
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