双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
『すべてのことから守る』
「パパー! ぐるぐるしてー」

「あ、せいとずるい! パパ、せなもだっこして!」

 土曜日の九時過ぎ、優星君が来るなり星斗と星七は玄関を飛び出して、車から降りた優星君の足にぎゅっとしがみついた。そんな双子を見て優星君は嬉しそうに笑う。

「わかったよ、順番にやってやるから」

 膝を追って双子の頭を優しく撫でる優星君の表情はとても優しくて、こうして見ていると本当の父親のよう。

 いや、優星君は双子にとって父親で間違いない。でもまだ出会って一ヶ月ほどしか経っていないのに、星斗も星七も優星君にすごく懐いている。
 彼が来たら私など目に入っていないもの。

それがちょっぴりおもしろくないというか、寂しいというか……。子供じみた悩みに頭を悩ませていると、優星君はさっそく星斗の願いを叶えてあげた。

 優星君にぐるぐると回してもらって、すごく楽しそう。私の力ではやってあげられないことだ。

 ずっとひとりでも立派に育ててみせる、ふたりに寂しい思いなんてする暇もないくらい、幸せにしてあげようと意気込んでいたけれど、それも限界があるのだと思い知る。父親の役目を私はやっぱりできないもの。
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