官能一夜に溺れたら、極上愛の証を授かりました
「仕方ない。家に帰って連絡を待つか」

 役員専用のエレベーターを降り、地下の駐車場に停めてある愛車にひとりで乗り込む。せっかくの休日だからと、菅野は午前中の早い時間で帰らせていた。


 自宅マンションに着いた後も、美海からのメッセージが来ることはなかった。

 忘れた、なんてことはないよな。急に仕事が入ったとか? 美海の性格なら、たとえ定休日でも客から頼まれた仕事なら断ることなどできないだろう。

 メッセージは諦めてスマホをサイドテーブルに置き、そっと目蓋を閉じる。閉じた目蓋の裏側には、昨夜一晩で色々な顔を見せた彼女の姿が貼りついていて、今夜はなかなか寝付けそうにない。

「ハーブティーでも飲むか」

 今日はもう無理でも、きっと明日の朝には美海からのメッセージが届いているだろう。

 俺はベッドから抜け出すと、美海に教えてもらったように丁寧にハーブティーを淹れた。

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