狂犬に愛される覚悟
狂犬は野獣
「愛妃さ~ん、絵美さ~ん」
「んー」
「何の話してんすか?」
二人があまりにも深刻そうだった為、仲間の一人・仁朗が話しかけてきた。
「ちょっとね!女の子だけの秘密!」
「えーー!なんか、エッチィっすよ!」
「そう?」
「フフ…」
急に笑い出す、仁朗。
「何よ…!仁朗、私達見て笑うなんて失礼よ!」

「いや、さっき話してたんすよ!
二人って、天使と女神みたいだなって!」
「え?」
ハモる、愛妃と絵美。
「でもあの野獣の零王さんが、天使みたいな愛妃さんをよく手に入れられたな~!」
「野獣?零王が?」
「はい、だいたいあの零王さんが、甘えてるってのもびっくりだし」
「え?」
「ギャップ凄いっすよ!」
「ちょっと…これ以上はやめな!仁朗」
慌てて止めに入る、絵美。
でも仁朗も酔ってて、気づかない。

「態度も、言葉遣いも全くの正反対ですもん!」
「反対…?」
「やだ~とか、~もん!とか。
俺達の前では絶対言わないっすよ!
愛妃さんの前だけっすよ!子犬みたいに可愛いのは。
俺達の前では、狂犬で野獣━━━━━」

「もう、やめて!!!」

「愛妃?」
「え…?
愛妃?どうした?」
「愛妃ちゃん?」
急に声を荒げた、愛妃。
みんなの視線が集まる。

「あ…ごめんなさい……
私、頭冷やしてくる…」
トイレに向かう、愛妃。

「どうした?絵美」
律が絵美に問いかける。
「ちょっとね…」
「すんません!!俺が、つい余計なこと……」
絵美と仁朗が先程のことを話す。
< 20 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop