狂犬に愛される覚悟
そしてある日の休日。
久しぶりに外にデートしている、零王と愛妃。

指を絡めて繋ぎ、ゆっくりショッピング中。
あ、あのワンピ…可愛い…
思わず、ジッと見つめていると………
「欲しいの?」
「え?いや…」
「フフ…欲しいんでしょ?買えばいいじゃん!」
「でも、値段高いし…」
「………」
「……な、何?」
「……愛妃は、おねだりとかしないの?」
「誰に?」
「俺」
「なんで?私の方が年上なのに、おねだりなんて……」
「愛妃が“零王~買って~”なんて言われたら、何でも買ってあげるのに…!」
「フフ…可愛い~零王」
「でしょ?だから、愛妃が言ったらもっと可愛いよ!」
零王が愛妃に目線を合わせて、顔を覗き込んで言った。

「言わないよ。そんな恥ずかしいこと」
「えーー!聞きたい~」
「言わない!
てゆうか、零王って……」
「ん?」
「ほんと、可愛いね!
聞きたい~だって!可愛い~」
「バカにしてる?」
「え?そんなわけないでしょ!?
そうゆう零王、大好きだなぁって思ってたの。
あ、もちろん…どんな零王も大好きだけどね!」
「………」
「……何////?」
無言で愛妃を見つめる、零王。

「それ…もう一回」
「え?」
「もう一回、言って?
どんな零王も大好きって!」
「どんな零王も…大好きだよ…!」
「フフ…俺も~!愛妃の全部が大好き~!
気分がいいから、あのワンピ買ってあげる!」
「え?」
「その代わり、今着替えて?
あのワンピ着た愛妃と、デートしたい!」
そう言って、ワンピをレジに持っていき購入して愛妃に渡した。
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