狂犬に愛される覚悟
自宅に帰り、食後にコーヒーを飲んでいる二人。
ソファに並んで座り、零王が愛妃の腰に手を回している。
そしておもむろに、愛妃の手を掴んだ零王。
「ん?何?」
「愛妃、手…小さいね…」
そう言って、手を口唇に持っていきキスをした、零王。
「え━━━?」
「可愛い……」
「━━━━!!」
思わず、手を引っ込めた、愛妃。
「ん?どうしたの?」

「え…あ…ごめんね……」
「え?もしかして、嫌だった?」
「ううん」
「じゃあ…なんで、引っ込めたの?」
「内緒……」
「ふーん。俺に隠し事すんだぁ?
いいのかなぁー?」
「え……?」
「愛妃ちゃん!」
「え?……ちゃん?」
「また壊れよっか?」

「え━━━」
壊れようって…………
まさか!また………

【 「…………じゃないと、毎回愛妃を壊すことになるからね!こんな風に………」
「━━━━━!!!
ひやぁぁ……んぁぁ…あ…んぁ……」
「今日は…寝かせねぇから……
一晩中…愛して、壊してやる……」 】

あの日の事が甦る、愛妃。
喉は枯れ、身体は思うように動かない。
動けるようになるのに、半日以上もかかった。

零王が愛妃の顎を持ち、口の中に親指をグッと突っ込んだ。
「うぐっ……!」
「愛妃、舌…出して?」
「ま、待っ…て…!言…う、から……!」
「ん?じゃあ…何?」
「同じこと、言われたの!」
「は?」
「さっき話したお客様に、手を掴まれて同じこと言われたの……
もちろんキスなんてされてないけど、なんか雰囲気が似てて……」
「は?何それ!?」
「ちゃんと言ったから、壊すのなしね!」

「でも、なんか胸くそわりー。
壊しはしないであげるけど、いっぱい抱かせて!」
そう言って、口唇を奪い貪った零王だった。

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