狂犬に愛される覚悟
ガン━━━━━!!
あるチンピラのたまり場のドアを蹴破る、律の部下。

中にいたチンピラが、驚いたようにナイフを握り零王や律達と対当した。
零王と律は、咥え煙草でチンピラを見据えている。

「律~コイツ等?」
「あぁ…薬ばらまいて、荒らしてるんだよ。
でもおかしいなぁ、もっといたはずなんだけどな……」
「だったら、吐かせりゃいいんじゃね?」
零王が手をコキッコキッと鳴らす。

「お前…確か……」
「ねぇ~もっといたはずなんだって!お前等の仲間!
どこ隠してんの?教えて?」
「零王、お手柔らかにしてやれ!
話聞きてぇし…!」
「はぁ~い!」

「お前…ゼロ…?」
「ねぇ…教えて…?」
「━━━━━━!!!」
ゴン━━━━!!
バキッ…!バキッバキッ!!

「お手柔らかにっつたのに……」
「相変わらずっすね、零王さん……」
あっという間にボコボコにした、零王。

「律~!終わっちゃった!」
「終わったな……
話、聞けねぇじゃん!
零王、言ったろ?お手柔らかにって!」
「だって、弱いんだもん」

「おい、ゼロ…お前確か、彼女いたよな…?」
「あ?」
零王の雰囲気が、一気に黒く染まった。
「俺等の中じゃ、有名だぜ……
確か…店の名前が━━━━━」
ゴッ━━━━!!
「うがっ…!」
「いいか…!俺の女に手ぇ出したら、死ぬより恐ろしい地獄味あわせてやる……」

「また、余計な事を……コイツ等、バカだな……」

帰り、一度組長・竜郎の家(律の実家)に寄る零王。
門が開き、組員達が一斉に頭を下げる。
「お疲れ様ですっ!!」
そこを堂々と歩く、零王。
この中で零王が一番年下で、しかも周りの組員は一回り以上も年上だ。
それでも一番オーラが、凄まじいのだ。
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