キミに贈る言葉
どちらかと言うと彼女を守らないと…
「…とても、お似合いだと思いますよ。」
「え?」
「笹川さんと篠原さん。」
やっぱり誤解させてる…
けど全部宮川さんを守るためなんだ。
「…でも、はっきり言うと皆さん迷惑してますよ。
篠原さんにつききりで全く仕事をしないって。
課長も部長も」
…ぐうの音も出ない。
「…私の時ですらあそこまで付ききりではなかったはずですよ。
何か弱味でも握られているんですか?」
仕事をする手が止まった。
冷や汗が流れる。
心臓がバクバク言い始める。
「…わかりやすい人ですね。
それで…誰を人質に取られてます?」
本人に言っていいのかこれ…
でも篠原さんの父親は…
部長職なのだから逆らうのが怖い…
宮川さんに何かあったらと思うと怖い。
「…実は…」
でも俺は…
この子に隠し事なんてできない。
隠し事をしたところであの綺麗な目に全て見透かされてそうで…
結局、相変わらずの拙い説明で彼女に全てを話してしまった。
彼女はただ、仕事をしながら淡々と俺の話を聞いてくれていた。
「ー…と言う事で…」
「まあそんな事だろうと思ってました。
笹川さんが本気で篠原さんを好いているなら何も言いませんけどそうじゃないなら少し、お役に立てることがあるかもしれません。」
どこ吹く風かのようにしれっと鈴の鳴るような声で言う彼女。
そして俺のパソコンにあるデータを送ってきた。
「…えっこれって…」
「伊達にこの会社の幹部と知り合いな訳じゃないんですよ私。
私がここに入社したのはたまたまです。
けどそれ、よくできてるでしょう。」
宮川さんが送ってきてくれたのは紛れもなく篠原部長のある映像。
「これで内部告発だってできるんです。
私はこれでも諜報活動は得意です。」
まさか総務課にいる彼女が、いつのまにか社長付きの秘書となって各部署を監視している外部取締役になっているとは…
「外部取締役になったのも私が短期間でこの映像を入手したからだけではありません。
元々私の仕事を買ってくれていました。」
彼女が手に入れた映像には…
紛れもなく篠原部長が賄賂を渡している映像だった。
「…何か脅されても全ての証拠を持っているのは私です。
この映像もこのパソコンだけじゃなくてデータ化してUSBに入っています。」
開いた口が塞がらないと言うのはまさにこのことだろう。
いつのまにか社長直々の命でここまでの証拠を掴むなんて…
「…とはいえ、ここまでの証拠を集めるのにかなり時間を要しました。
誰かさんが全く仕事をしなくなったので。」
宮川さんには感謝でいっぱいだ。
これ以上彼女を苦しめてはならない。
「明日からはいつも通りの仕事をしてください。
何か言われたら、私が助けます。」
いつも光のない彼女の瞳が真っ直ぐ俺を見る。
吸い込まれてしまいそうなくらい綺麗な瞳。
色素の薄い色をした彼女の瞳。
「…さて、仕事も終わったので今日は帰りましょう。笹川さん、退勤しましょう。」
パソコンの電源を落として宮川さんは帰宅する用意を始めた。
その表情はいつもと違って少し柔らかく微笑んだように見えた。
ー…1週間後
篠原さんの仕事具合は想像していたよりずっと酷かった。
なにしろ教えたこと全てができない。
どれだけ訂正して修正しても全く覚える気がない。
「莉里が間違っても莉里は首にならないから大丈夫!
」
これが彼女の口癖だった。
「…とても、お似合いだと思いますよ。」
「え?」
「笹川さんと篠原さん。」
やっぱり誤解させてる…
けど全部宮川さんを守るためなんだ。
「…でも、はっきり言うと皆さん迷惑してますよ。
篠原さんにつききりで全く仕事をしないって。
課長も部長も」
…ぐうの音も出ない。
「…私の時ですらあそこまで付ききりではなかったはずですよ。
何か弱味でも握られているんですか?」
仕事をする手が止まった。
冷や汗が流れる。
心臓がバクバク言い始める。
「…わかりやすい人ですね。
それで…誰を人質に取られてます?」
本人に言っていいのかこれ…
でも篠原さんの父親は…
部長職なのだから逆らうのが怖い…
宮川さんに何かあったらと思うと怖い。
「…実は…」
でも俺は…
この子に隠し事なんてできない。
隠し事をしたところであの綺麗な目に全て見透かされてそうで…
結局、相変わらずの拙い説明で彼女に全てを話してしまった。
彼女はただ、仕事をしながら淡々と俺の話を聞いてくれていた。
「ー…と言う事で…」
「まあそんな事だろうと思ってました。
笹川さんが本気で篠原さんを好いているなら何も言いませんけどそうじゃないなら少し、お役に立てることがあるかもしれません。」
どこ吹く風かのようにしれっと鈴の鳴るような声で言う彼女。
そして俺のパソコンにあるデータを送ってきた。
「…えっこれって…」
「伊達にこの会社の幹部と知り合いな訳じゃないんですよ私。
私がここに入社したのはたまたまです。
けどそれ、よくできてるでしょう。」
宮川さんが送ってきてくれたのは紛れもなく篠原部長のある映像。
「これで内部告発だってできるんです。
私はこれでも諜報活動は得意です。」
まさか総務課にいる彼女が、いつのまにか社長付きの秘書となって各部署を監視している外部取締役になっているとは…
「外部取締役になったのも私が短期間でこの映像を入手したからだけではありません。
元々私の仕事を買ってくれていました。」
彼女が手に入れた映像には…
紛れもなく篠原部長が賄賂を渡している映像だった。
「…何か脅されても全ての証拠を持っているのは私です。
この映像もこのパソコンだけじゃなくてデータ化してUSBに入っています。」
開いた口が塞がらないと言うのはまさにこのことだろう。
いつのまにか社長直々の命でここまでの証拠を掴むなんて…
「…とはいえ、ここまでの証拠を集めるのにかなり時間を要しました。
誰かさんが全く仕事をしなくなったので。」
宮川さんには感謝でいっぱいだ。
これ以上彼女を苦しめてはならない。
「明日からはいつも通りの仕事をしてください。
何か言われたら、私が助けます。」
いつも光のない彼女の瞳が真っ直ぐ俺を見る。
吸い込まれてしまいそうなくらい綺麗な瞳。
色素の薄い色をした彼女の瞳。
「…さて、仕事も終わったので今日は帰りましょう。笹川さん、退勤しましょう。」
パソコンの電源を落として宮川さんは帰宅する用意を始めた。
その表情はいつもと違って少し柔らかく微笑んだように見えた。
ー…1週間後
篠原さんの仕事具合は想像していたよりずっと酷かった。
なにしろ教えたこと全てができない。
どれだけ訂正して修正しても全く覚える気がない。
「莉里が間違っても莉里は首にならないから大丈夫!
」
これが彼女の口癖だった。