キミに贈る言葉
涙を浮かべる彼女を俺はぎゅっと抱きしめる。
「…は、けつ…びょう…
…はい、えん…です…」
「…え?」
「救急隊の…人に…伝えてください…」
肺炎?
は…けつ…病…はっけつ…
白血病…?
「白血病?」
小さくこくりと頷いた彼女の目には涙が浮かんでいて…
教育係として宮川さんとずっと一緒にいたのに気づかなかった…
病気と、闘っていたんだ…
「…気づけなくて、ごめん…」
腕の中の反応がなく、完全に意識を失ってしまったようだ。
「宮川さん!」

そこから彼女が目を開けることはなかった。
ずっと、深い眠りに入ってしまったかのように。
ただずっと、搬送されていった病院のベットで眠り続けている。

まるで、お伽話の出てくる眠り姫のように。
【笹川将也side END】
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