浮気 × 浮気


「よし!じゃぁ〜そうと決まったら」


と雪がそこまで言いかけた時だった。


「俺も歓迎会参加したいです」


背後からそんな声が聞こえてきて、私たち3人は一斉に後ろに振り返った。


そうすれば視界に入ってきたのは、ポケットに手を入れながら私たちの方へ歩いてくる木嶋さんだった。


「いや〜トイレ行こうと思ったら御三方が見えて、たまたま話が耳に入ってきたんです。俺も今日暇だし、参加させて貰えませんか?」


そう言っていつもの様に無邪気に笑う木嶋さん。


私はふと主催者である雪に視線を向け、また目を疑った。……なぜなら、さっきと同じように冷たい表情を雪が浮かべていたからだ。

けれどその表情はすぐに崩され、満開の笑顔へと変わる。


「もちろん!!!人数は多い方が楽しいし、木嶋くんの歓迎会も兼ねてしよう!」


そう言った雪の声色はいつもと変わらない明るい声だった。


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