浮気 × 浮気


「え?なんで?」

「いや…なんとなく?」


しまった……話題を間違えた……。
もっとよく考えて話せばよかった…!

なんて今更思っても後の祭り。

さっきより更に気まずい雰囲気が漂う。


「あぁ!雪が心配だ!雪を見てこようかな!」


私はわざとらしくそう言葉を紡ぎ、その場に勢いよく立ち上がった。


「大丈夫でしょ。待ってたらいいんじゃないですか」


木嶋さんはそう言うけれど、もうこの雰囲気に私は耐えられない!それに雪が心配だって言うのも本音だし。


「ううん、ちょっと見てくる!木嶋さんはここで待ってて!陸が戻ってくるかもしれないし」


私はそれだけ言い残し、個室を出てトイレへと足を進めた。


< 114 / 236 >

この作品をシェア

pagetop