【完】狂犬は欲望中毒。





月は姿を隠さず現れて、地上へと光を注いでいるはずなのに。


こんな時に限って逆光して左和季君の顔が見れない。


どんな顔してるの?


私のことどんな風に心配してくれたんだろう。


心臓が止まりそうなほどって、それってさ。



左和季君がそのくらい私のこと心配してくれたってこと?



……なんだろう。


胸の奥がむず痒い。



左和季君が私のこと心配してくれことがすっごく嬉しいだなんて。


さっきまで恐怖で頭真っ白だったくせに。


私、変だ。




「送る」


「あっ……」



いつまでも、夜のアスファルトの上で抱き締め合っているわけにもいかない。



けど、左和季君が離れてしまったと同時に
夜風に消される温もりに名残惜しさを感じてしまう。







< 87 / 277 >

この作品をシェア

pagetop