好きと…素直になりたい!!でも…。


 花火の見ている人達の歓声が聞こえる、でも私はまだそれどころではない。


 なんで、間接キスなんてしたの?それとも私の考えすぎ?


 パニック状態で大切なことを忘れていた。まほちゃんと坂井君、後少しで花火も終わるのにまだ姿が見えない、本当に大丈夫なの。

 「青山君二人まだ来ないけど、何かあったのか心配で」


 青山くんはゆっくり溜息をつき

 「心配はいらない」

 「でも……、やっぱり」


 「その口塞がれたいか?」


 暗闇と花火の僅かな光のせいか、青山君の目が鋭く見える。


 何だろう、私の知らない青山君見たい!


 私は何とかもう一度伝えよと思ったけど、言葉を遮られた。


 「どうしても口を塞いで欲しいみたいだな」



 大きな、大きな大輪の花火が上がり、一際大きな歓声が上がる。


 私は目を閉じることも出来ず青山君の唇が私の唇と重なる。


 何が起きているのか一瞬分からず、初めてのキスは甘い、いちご味。


 打ち上げ花火は、まだ続いているのに、何も聞こえない、そっと唇が離れていく。
 

 耳に甘い声



 「やっと捕まえた、これからも俺だけ見てろよ、好きだ雪」


  もう一度キス。
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