わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)

03. 橘部長は温まる

 私が「きじょーいむり!」と言い続けたから、宮燈さんは起き上がって私を抱き締めてくれた。触れ合ってる肌が温かくて気持ちいい。髪にキスしてる感触がくすぐったい。私が上を向くと、宮燈さんが私の両頬に手を添えて言った。

「ずっと私だけを見て欲しい」
「私はいつも宮燈さんしか見てませんよ」

 私がそう答えたから、また食べられてる?! と思うくらいのキスをされた。私の口の中を蹂躙しながら、体を揺らしてくる。奥まで当たって気持ちがいい。
 押し倒されて、激しく攻められて、また頭がおかしくなりそう。腰が浮いててちょっと痛いと思っていたのに、膝を抱えられてさらに広げられた。

「やだっ! 深いっ……いたいの!」
「痛い?」
「ん……足が痛い」
「中は?」
「中? 中って??」
「ここは痛い?」

 宮燈さんは私を見下ろしながら、奥にトントンと当ててくるから、私は悲鳴のように喘いだ。

「あぁっ、そこは、きもちいいっ! 宮燈さんに子宮口(そこ)をぐりぐりされると、すっごく気持ちいい……」

 ……ってそうじゃなくて!
 身長差を考えて欲しい。宮燈さんは軽く抱えるけど、それだけで私の体はひっくり返りそうになるんですけど!!!

 涙目でそう訴えたから、力を少し緩めてくれたけど、屈曲してる姿勢はあまり変わらなかった。宮燈さんの動きが激しさを増していって息苦しい。私はまた思考が出来なくなって、あっという間に絶頂を迎えた。

「だめ……いく……っん、ああっ!」

 叫ぶように喘いで締め付けて、離れて欲しくなくて、腕も足も宮燈さんの体に絡めて逃さないようにした。他人なのに、誰かとぴったりくっついて一緒にいることが、こんなにうれしくて幸せだなんて知らなかった。私の中でびくびくと動いてるのが愛おしい。二人で全力疾走したみたいに疲れて、そのままの姿勢で呼吸を整えていた。腰が痛い。

 全身から力が抜けた。往々にして男性の射精でセックスは終わってしまうものなんだろうけど、その後もずーっとくっついてるのって気持ちいいなあーと考えていた。この気持ちいい感じは何だろう? 今は体より心が満たされてるのかな?

 しばらくして体を離して宮燈さんが横になる。私はちょっとだけ体をずらして二人で寝られるようにした。腰が痛い。狭いから宮燈さんの腕に自分の半身をのせる。宮燈さんはずっと私の髪を撫でていたけれど、会った時よりは冷静な気がする。この人は、ヤらないと落ち着かないらしい。なんてダメな大人なんだろうか。もう少し自制心を持って頂きたい。腰が痛いんだってば。
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