永遠に咲け
「咲愛?」
「あ、里花」
「凄いね、永久さん。
手を掴んで睨んだだけで…一瞬だった」
「うん、別人なの…私の前でと普段とでは」
永久が乗り込んだ、車を二人で見る。

「不思議ね…」
「え?里花?」
「そんな人と、咲愛みたいな天使が恋人同士だなんて………」
「そうかな…」
「あ、似合わないとか言ってるんじゃないよ!
むしろ二人を見てると、お似合いだなって思うんだよ。ただ…不思議だなって……!」
「そうだね」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ただいま、咲愛」
「ん…あ、おかえりなさい」
夜が更けた頃、ソファでうたた寝していた咲愛に声をかける、永久。

「寝てていいよって、メールしたよね?
こんなとこで……
春だからって、風邪ひくよ?」
「ん…でも、ちゃんとおやすみって言って寝たかったから」
「可愛い……じゃあ…もう、寝な?
おやすみ…!」
軽くキスをした永久。

「………」
「何?ジッと俺を見て?
もう一回キスする(笑)?」
「お兄様…私を見て?」
「ん?」
咲愛の目を見つめる。
「………」
「ん?何?
こんな風に見つめ合ってたら、抱きたくなるんだけど?」
「全然、怖くない……」
「は?」
「だって、みんなお兄様に見つめられると怖がるから……
でも私にとっては、優しくて安心するの」
「そんなの当たり前だろ?
咲愛のこと愛しくてしかたがないんだから!」

「そうだよね。
でもね、私が…怖いって拒否したからなのかなって」
「んーそれもあるけど、何より俺が咲愛には優しくしたい」
「そっか。私、どんなお兄様も大好きだよ?」
「ありがと!
ほら、寝な?」
「うん…おやすみなさい」
「おやすみ…」
咲愛の頭を撫でながら、寝顔を見つめる永久だった。
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