強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
あれ以来、俺の視界に三好が入り込んでくる事が多くなった。

書類を持って各部署をバタバタ忙しそうに走り回ってる姿とか、昼休憩で同僚とランチに行く姿とか、たまに向井に揶揄われている姿とか。

一度顔を覚えてしまえば、意外と目につくものなのかもしれない。

三好が総務の仕事で企画部に顔を出した時や会議室の片付けに来た時、会えばちょくちょく三好にちょっかいを出していた。

もちろん、表情の変化を引き出すために。

まあ俺もその時企画部部長なんて肩書きを背負ったばかりだったからそれなりに忙しく、そんな機会もたまにしかなかったが。

それでも俺が揶揄う度に素直に膨れたり笑ったり怒ったり、色んな表情を見せる三好が面白くて、可愛くて、やめられなかった。


だがその時の俺は、まだ気付いていなかった。

俺の視界に三好が入り込んでいたんじゃない。

俺が無意識に三好を目で追っていたんだということに。
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