強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
「あら、一華ちゃん、お帰りー」
「お疲れ、三好」
家の最寄駅から徒歩5分。
大通りから2本目の路地を左に曲がれば見えてくる、『藤よし』。
いつもおじさんサラリーマンたちが集う、テーブル席4席、カウンター席5席の良心的な価格の小料理屋は、26歳独身女の行きつけのお店である。
「慶子ママ、ただいまー。…部長、いらしてたんですか。こんな時間に」
こんな時間に、というところをあえて強調する。
金曜日の夜、時刻は19時過ぎ。
いつも忙しい天下の企画部部長さんがこんな時間に居酒屋にいるなんて暇なんですか、という気持ちを言外に込めている。
「お前、そんな嫌そうな顔すんなよ、傷つくわー」
「え、これが普通の顔ですけどー」
「一華ちゃん、いつものでいい?」
「うん、お願いします!」
50代後半で若草色の着物がよく似合う慶子ママは私のお母さん的存在。
ここのお客さんはおじさんサラリーマンが圧倒的多数で、私くらいの年代の女性は珍しいらしく、ここに通うようになってから娘のように可愛がってくれている。
だからいらっしゃいませじゃなくてお帰り。
「お疲れ、三好」
家の最寄駅から徒歩5分。
大通りから2本目の路地を左に曲がれば見えてくる、『藤よし』。
いつもおじさんサラリーマンたちが集う、テーブル席4席、カウンター席5席の良心的な価格の小料理屋は、26歳独身女の行きつけのお店である。
「慶子ママ、ただいまー。…部長、いらしてたんですか。こんな時間に」
こんな時間に、というところをあえて強調する。
金曜日の夜、時刻は19時過ぎ。
いつも忙しい天下の企画部部長さんがこんな時間に居酒屋にいるなんて暇なんですか、という気持ちを言外に込めている。
「お前、そんな嫌そうな顔すんなよ、傷つくわー」
「え、これが普通の顔ですけどー」
「一華ちゃん、いつものでいい?」
「うん、お願いします!」
50代後半で若草色の着物がよく似合う慶子ママは私のお母さん的存在。
ここのお客さんはおじさんサラリーマンが圧倒的多数で、私くらいの年代の女性は珍しいらしく、ここに通うようになってから娘のように可愛がってくれている。
だからいらっしゃいませじゃなくてお帰り。