強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
いずれにしても、あのキスの感触とか部長のフェロモンたっぷりの顔とか、一度思い出してしまえばもうまともに部長の顔が見られない…!


「あら、藤吾くん、そうなのよ一華ちゃんってお酒入るとなんていうか可愛くなるのよねぇ、いつも可愛いんだけどさらに!」

そのタイミングで、煮物をお皿によそっていた慶子ママが話に加わってきた。

ナイス慶子ママ!と言いたい所だけれど、

「…慶子ママ、可愛いとか止めてー!私と可愛いは1番結びつかない単語だから!なんか痒くなる!」


私は、私のどこにも可愛い要素はないと思っている。

それは、見た目も中身も。

だから、可愛いと言われるとなんか痒くなる。

ゾワゾワする。

「…へー?痒くなるんだ?」

ニヤリ妖艶な微笑を称えて私の顔を小首を傾げて覗き込む部長。

……来る。これは来る。



「…三好は可愛いよ?」



ほら来たー!

来ると思ったよ!

そんな悪戯っ子みたいな顔して。

人を揶揄わずにはいられない生き物なのか?

人を揶揄ってないと死んじゃうのか?
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