神殺しのクロノスタシス3
「な…ん…」
まさか。
自分が殺そうとしている相手に、そんなことを言われるとは思っていなかったらしく。
すぐりは、狼狽して、何も言えずにいた。
…俺達も、そうだった。
どうしてあげるのが正解だと言うのだろう。
子供の頃から、物心つかない頃から、生きるか死ぬかの人生を送り。
汚い大人達に洗脳され、人殺しだけを生業として生きてきて。
自分の生きる意味は何なのか、自分の生まれてきた意味は何なのか、絶えず考え続け。
考え続けて考え続けて、ようやく導き出した答えは、こんなにも破滅的なもので。
そんな憐れな二人の暗殺者に、俺達が何をして、何を言ってあげられるのだろう。
…そのときだった。
「…っ!!」
すぐりは、懐の小刀を、思いっきり令月の肩に突き刺した。
「令月!」
「…」
俺は思わず声をあげたが、令月はまるで動じなかった。
「…何で…君は…」
「…」
「何でそんなことを…。俺を、馬鹿にするようなことばかり…」
「…一緒にいよう。一緒に。僕達の気持ちが分かるのは、僕達だけなんだから」
「それが俺を馬鹿にしてるって言うんだよ!」
「…」
肩を刺されても、詰られても。
令月は、すぐりを抱き締めて離さなかった。
死ぬときは一緒だとばかりに。
「…馬鹿にしてるつもりはないよ」
「そんな…!」
「…ただ、一人じゃ寂しいと思うから。お互いに」
「…!」
「だから一緒にいよう。嫌い同士でも、一人ぼっちより良いでしょ?」
「…」
「…まぁ、僕は元々、『八千歳』を嫌いだと思ったことはないけど…」
すぐりが一方的に嫌ってただけで。
令月の方は、むしろすぐりと仲良くしようと努力してたもんな。
あれは、そういう意味で…。
「だから『八千歳』。一緒に…」
「…ふざけるな。ふざけるな…!俺は、君とは違って…!」
と、
すぐりが言いかけた、そのときだった。
「お邪魔しま~…す?」
「!?」
俺達は、失念していた。
放課後。
放課後の学院長室に、何も知らない一般の生徒が訪ねてくる可能性を。
「…えっ?」
床でペースト状になってるナジュと、肩に小刀突き刺された状態で壁ドンしてる令月とすぐりを見て。
訪ねてきた女子生徒は、ポカンとしていた。
当たり前だ。
「見てはいけません!」
イレースが、女子生徒の前に立ち塞がって、彼女の視界を遮った。
「えっ。えっ…。何やって…」
困惑する女子生徒。あの子、何処かで見覚えが。
「私、すぐり君を探しに…。罰掃除に来てないから…。クラスメイトに聞いたら、すぐり君が学院長室の方に行ってたって…。それで…」
成程、そんな理由で。
抜かった。今だけは、学院長室の扉を閉ざしておくべきだった。
まさかこんなことになるなんて、思ってなかったから…。
「…すぐり君、何してるの?」
すぐりを探しに来たという女子生徒は、戸惑った様子でそう尋ねた。
まさか。
自分が殺そうとしている相手に、そんなことを言われるとは思っていなかったらしく。
すぐりは、狼狽して、何も言えずにいた。
…俺達も、そうだった。
どうしてあげるのが正解だと言うのだろう。
子供の頃から、物心つかない頃から、生きるか死ぬかの人生を送り。
汚い大人達に洗脳され、人殺しだけを生業として生きてきて。
自分の生きる意味は何なのか、自分の生まれてきた意味は何なのか、絶えず考え続け。
考え続けて考え続けて、ようやく導き出した答えは、こんなにも破滅的なもので。
そんな憐れな二人の暗殺者に、俺達が何をして、何を言ってあげられるのだろう。
…そのときだった。
「…っ!!」
すぐりは、懐の小刀を、思いっきり令月の肩に突き刺した。
「令月!」
「…」
俺は思わず声をあげたが、令月はまるで動じなかった。
「…何で…君は…」
「…」
「何でそんなことを…。俺を、馬鹿にするようなことばかり…」
「…一緒にいよう。一緒に。僕達の気持ちが分かるのは、僕達だけなんだから」
「それが俺を馬鹿にしてるって言うんだよ!」
「…」
肩を刺されても、詰られても。
令月は、すぐりを抱き締めて離さなかった。
死ぬときは一緒だとばかりに。
「…馬鹿にしてるつもりはないよ」
「そんな…!」
「…ただ、一人じゃ寂しいと思うから。お互いに」
「…!」
「だから一緒にいよう。嫌い同士でも、一人ぼっちより良いでしょ?」
「…」
「…まぁ、僕は元々、『八千歳』を嫌いだと思ったことはないけど…」
すぐりが一方的に嫌ってただけで。
令月の方は、むしろすぐりと仲良くしようと努力してたもんな。
あれは、そういう意味で…。
「だから『八千歳』。一緒に…」
「…ふざけるな。ふざけるな…!俺は、君とは違って…!」
と、
すぐりが言いかけた、そのときだった。
「お邪魔しま~…す?」
「!?」
俺達は、失念していた。
放課後。
放課後の学院長室に、何も知らない一般の生徒が訪ねてくる可能性を。
「…えっ?」
床でペースト状になってるナジュと、肩に小刀突き刺された状態で壁ドンしてる令月とすぐりを見て。
訪ねてきた女子生徒は、ポカンとしていた。
当たり前だ。
「見てはいけません!」
イレースが、女子生徒の前に立ち塞がって、彼女の視界を遮った。
「えっ。えっ…。何やって…」
困惑する女子生徒。あの子、何処かで見覚えが。
「私、すぐり君を探しに…。罰掃除に来てないから…。クラスメイトに聞いたら、すぐり君が学院長室の方に行ってたって…。それで…」
成程、そんな理由で。
抜かった。今だけは、学院長室の扉を閉ざしておくべきだった。
まさかこんなことになるなんて、思ってなかったから…。
「…すぐり君、何してるの?」
すぐりを探しに来たという女子生徒は、戸惑った様子でそう尋ねた。