ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
……もう諦めます。

そう言いかけた時。



「あった!」



奏多先輩の大きな声が私の耳まで届いた。

慌てて奏多先輩に走り寄る私。

その手のひらにあったのは、小さなピンキーリング。

確かに、これは私のピンキーリングだ。


ありがとうございます。


その一言を言う前に、私は奏多先輩に飛びついた。

奏多先輩に抱き着く私。

そんな私の背中を奏多先輩は優しく撫でてくれる。


見つかって良かった……。

それ以上に。

奏多先輩も一緒に探してくれたことがすごく嬉しかった。



「ありがとっ、ございま、す」



涙をあふれる。

そんな私の頭を撫でてくれる奏多先輩。
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