ねこ先輩に「好き」を伝える方法。
*第2章*

勉強会の救世主。

あの噂の出来事の日から1週間が経った。

クラスの雰囲気が重たい。

そんな雰囲気をさらに重くするかのように、5月上旬特有のジメジメした空気がまとわりつく。


嫌な空気だなぁ。

授業中も、休み時間中もクラスの空気が悪い。

居心地が悪い。


そんな中、ひとつ変わったことがある。

雑用を頼まれることがなくなった。

それは、もちろんいいことなのだけれど……。

クラスで話しかけられることもゼロに等しい。

今までは、雑用を頼む理由で声を掛けられていたけれど。

それもなくなってしまった。


教室の中。

私の居場所ってあるのかな。

もちろん、自分の机と椅子はある。

だけど、楽しいなって思える時間がない。

居場所って自分で作るものだとは思うけど……。

でも、どうやって作っていいのか分からない。



「はあ」



小さくため息をつく。

ため息ついたところでなにも変わらないけどね。

もっと、ポジティブになりたいなぁ。

ポジティブになれたら、どれだけラクなのか。


そんな、ひとりぼっちのお昼休み。
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