私の知らない恋の話。
まぁ、でも。



「ねえね、なぎ。俺ほんとに頑張るからね?覚悟しといてね?」


心なしかテンションの高いもえを見ていたら、良かったんじゃないかなって。


「ね、なぎ」
「ん?」
「好き」
「……うん、ありがと」


……好き、とか。
わからないけど。


「んで、ここ教えて」
「ん……」


真面目に勉強を始めたもえ。
お風呂上がりってのもあって私はメガネ。
もえは裸眼だからなんてことないけど。
私は昔のメガネをかけててもちょっと度が合ってないけど。


「……なぎメガネ似合うね」
「うん……まぁ、昔、似合うの選んでもらったからね」
「誰に?」
「……聞かなくていーよ、別に。そーゆーの」


何かあって、度のあってるメガネが壊れたら必要な時に使えなくて困るだろうから、基本的に使わない。
もう一つ予備さえあったら、このメガネ捨てたかった。


「……ごほーび、それ」
「え?」
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