好きだったし愛してもいた。
東京に進学し勤め先で夫、良矢と出会った。

でもあたしは山下くんを忘れたことはない。

これはいわゆる気質なのだと思う。

あたしの母は不倫してあたしを産んだ。
だからあたしも山下くんに抱かれることへの抵抗感は低い。

でもあたしは手に入れた家庭を大切にしている。平穏な日々を。

頭は冒険で満ち、生活は平凡な主婦。

母が苦労したからこそ安易な道は選びたくない。
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