となりの紀田くん



紀田が私を無視するなんて
いつもの事だけど
なんか明らかにいつもと違う




私、紀田に何かしたかな?




「ねぇ、紀田。一緒に帰ろ?」





「…………………。」




彼は私を見ようともせず
立ち上がるなり教室を出ていく





ブチィ




何なの!?
むかつくっ!!




ここまで徹底的に無視されると
腹が立つってもんよ




私は紀田の後を必死に
追いかけた




ーーーーーーーーー




「ねぇ………」





「………………」





「ねぇ、紀田……」




「……………」





「ねぇってば!!」





「……んだよ、うるせえな」




やっと反応した!!!




「あんたが無視するからだよ!!」





「別に無視してねえよ」




「してるじゃんか!!!何?私、何かした!?」




何だか無視されていることに
悲しくなってきて逆ギレ気味に
なってしまう………





すると紀田は校門前で足を止め
私の方へと体を向ける……






「何かした?………笑わせんな。お前、ゆう……………「裕也!」





そして何か言いかけたとこで
紀田の言葉は誰かに遮られた





透き通るような綺麗な声
間違いない………これは




「要………」




そう………要さんだ




たった今………私の中で
嵐が巻き起こり始めました。
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