となりの紀田くん




女将さん殺人事件も
無事解決し……





私はのんびり
温泉に浸かっていた……





あのあと女将さんは
死んだのは妹だと
いうことを警察に告げ






どうやら女将さん一人の
犯行にしたらしく
女将さんは逮捕された………






そのまま旅館の
責任は娘さんに
任され…………






晴れて彼女は、この旅館の
若女将になったわけだ。






「あー、気持ちいい」





「だねー」





隣の鈴と一緒に
最後の温泉を楽しむ。






昨日はあの事件のおかげで
ゆっくり入れなかったし
明日にはもう帰らなくちゃ
いけないから………





ゆっくりするなら
今しかない!!!






「それにしても、女将さんの事件………一体何だったんだろうね」






鈴が不思議そうに
首を傾げる






「さあ?何だろね……」






これは私と紀田だけの
秘密でいいよね?





あ、平山さんも
知ってるかな………?





チラリと平山さんを見ると
少し離れたところで
思い詰めたように
ため息をついている





「平山さん!」





「きゃっ!」






私は平山さん目掛けて
お湯を引っかける





「ため息ばかりついてると、幸せ逃げちゃうぞ~?」






「そうだよ、平山さん!笑顔っ笑顔っ」






鈴がにぃーっと笑って
ピースする






「あ、ありがとう。そうだよね!笑顔笑顔」





そんな私たちを見て
平山さんが微笑む





さっきメガネが落ちた
時も思ったけどさ……





平山さんってメガネ取ると
凄く可愛いよ………






「じゃあ、教えてよ!」





「え、何を?」





「何で悠斗を好きになったのか!」






「えー、恥ずかしいな……」





平山さんは、ほんのり
顔を赤らめつつも
語ってくれたーーーーー






悠斗を好きになった理由。





ーーーーーーーーー





お風呂上がりに
私はフロアーフロントの
ソファーに座りながら
羽麻くんと話していた





「悠斗ってバカだけど、何だかんだ優男なのよね」





「へえ、ってか平山さんって……竹中のこと好きだったんだな」






「本当、びっくりだよね!図書室での恋の始まりかぁ………女子の夢の1つだよね!」







「いや、俺……男だからわかんない」





羽麻くんが
苦笑いを浮かべて
ポリポリと頭を掻く





「ですよね!!」





私はソファーから立ち上がって
窓越しに星を眺める





するとーーーーーーー





綺麗な流れ星が
瞬く間にやって来て






(直ぐには無理かもしれないけど………どうか平山さんの想いが悠斗に伝わりますように………。)





心の中で3回唱えた。




ーーーーーーーー



3日目も無事に終わり
帰宅の途に着いた私…





「ゆあ~っ!!会いたかった!!」





玄関を開けるなり
私に飛びついてくるコイツ





皆さんお忘れでは
ないでしょうか?





そうです…………
そうなんです。




私の悪魔な弟
シスコンバカの
柚くんなのです………
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