となりの紀田くん



「ってか、紀田からメール返って来ないし!!」





携帯をカチカチいじりながら
何度も何度も受信問い合わせ
をする始末…………






明日のこと詳しく
聞こうと思ったのにな。
まあ明日また会えるし
明日聞けばいっかー





……………………………。





はっ!!





その為にも早く
明日の服装を
決めなくては!!





「ゆあーっ!!」





「うわぁっ!!」





いきなりドアが
開いたと思えば





柚が勢いよく
飛びついてくる





「なあ、紀田と別れたんじゃなかったの?」





私の首に腕を回し
後ろから抱き締めてきて
耳元で話す





「ちょっ!耳元やめて!なんか、くすぐったい」





「ゆあ、意外と敏感なんだね」





ペロッ




そう言って
私の首筋を舐める………





舐める!?





「ひゃあっ////柚のバカ!」




ベシッと柚に
デコピンを入れる




「いてえな……」




おでこを擦りながら
柚が私を睨む





「ゆ、柚が悪いんだから!!」




「はいはい。で、さっきの質問の答えは?」





「別れてるよ」





「じゃあ、さっきのあれは何?姉貴、別の彼氏いるんじゃなかったの?」





私を姉貴と呼び始めた柚には
無闇に嘘をつく事も誤魔化すのも
どうせ出来ない





ならいっそ思いのまま
全てを言ってしまえばいい。






私は仕方なしに
溜め息をついて
柚に全てを話したーーー
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