となりの紀田くん



「ーーーーーーゆあっ!!」



そんな呼び声とともに
引き離される体



「おい、棗!お前、ゆあに何言った!?」



「別に……ねぇ?」



怪しげな笑みを浮かべて
私に同意を求める井形さん



「とにかく、嘘じゃないからね?紀田くんのこと。」



そう言ってヒールを
カツカツ鳴らして去っていく。



「ゆあ!大丈夫だったか!?」



「え、あ、うん…。大丈夫!」



心配して私の顔を
覗き込む瑠威



けれどさっきの彼女の
言葉が頭の中をぐるぐると
リピートして、上手く目を
合わせられない…



「ゆあ?大丈夫?」



そう言って私の肩に
触れようとする瑠威



「触らないで!!」



いつの間にか
そんなことを
叫んでいた



驚きの表情を浮かべながら
ただ立ち尽くす瑠威の姿を見て
我に返る私………



「あ…ごめん!!違うの!!」



何が違うの??
私は今自分で
瑠威に触られる事を
拒否したーーーーー


過去の事だし
気にすることないのかも
しれないけれど……



でも、それでも
心が苦しかった。




私の中で一つもやっとした
闇が生まれたーーーーー。
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