となりの紀田くん



「き、紀田…………離して……」



「却下」



そうやってまた私に
甘い甘いキスを落とす




あまりに長いキスに苦しくなって
息を吸おうと口を開けば




ここぞとばかりに
舌を入れてくる………




「…んんっ……ぁっ」




この変態野郎!!!




って言ってやりたいけど
離れない唇と朦朧としてきた
意識のせいで




突き放す事さえ出来ない




だから思いきり
胸板を叩く…………




やっと唇が離れた時には
もう地上に着いていた。




「ごちそうさま………」




「ば、ばか///」



ニヤリと笑って観覧車を
出ていく紀田に私は
精一杯の悪態をついた。




ーーーーーーーー



遊園地から出て
二人で帰り道を歩く



さっきの観覧車での
出来事が頭の中を
駆け巡って消えない




ドキドキは止まらないし




私………おかしくなっちゃったかな?




隣の紀田をチラッと見るが
何事もなかったかのように
ポーカーフェイスを極めている




私………遊ばれてるの?




気づいた時には
私の家の前に着いていた。


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