私の…手…! プロポーズは大好きな花に囲まれて。

 「迎えに行くよ」

「大丈夫です、電車で行けますよ」

「だめだ、やっぱり心配だから」

「都内なら、何度も行ったことありますよ、心配症なんだから」



結局私が押して、押しまくってゆずるさんには約束の週末、会社の近くの駅で待ちあわせになった。


 電話からは何度もゆずるさんな溜息が聞こえてきて、仕方がないと当日はこまめにメールを入れるようにしっかりと言われ、でもそれがなんだか逆に嬉しくて今日は声だけで良かった。


 私きっと恥ずかしい顔してる絶対。


 耳から入る彼の声が優しくて、まるで抱きしめられているような感覚がしてきて、心が、満たされていく。
< 49 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop