甘々顔KING総長様と地味顔女子
ついて行った先の部屋、
扉上のプレートには『特別室』と書かれてた。

あ、やっぱりここに居たんだ。

総長様に会える。
普通にそんな気持ちでいた。

そしてお母様の手で開かれたその部屋は

「え」

なに?この部屋・・

特別室ってこんな感じなの?

そこはまるで異質・・というか・・
テーブルとか、椅子とか、部屋にあるハズの家具類は一切置いてなくて
その代わりに目に飛び込んできたのは

大きな大きな
・・ベッド。

照明は関節ライトのみで、さっきの部屋同様、・・薄暗い

なんだか、ここ

・・気持ち悪い

ああ、そんなことより
肝心の総長様は、

ガタッ
「?!」
部屋の奥からなにか音が

「?」
誰か、居る?

「亜弥、」
え?
総長様?そこに居るの?
物音のした所へ近づいて
「そうちょ・・」声をかけようとして


・・固まった。



だって
そこには

あの最強な姿では無くて

甘々笑顔は消えていて

まるで闇に中に溶け込んでいくかのように力なく壁にもたれ、座り込んでる総長様の姿。

「―――!」

ど、どうしちゃったの?
薄暗いライトにだんだん私の目は慣れてきて、総長様の異様な姿に気付く

両手首が束ねられてる・・鉄の、輪・・って、コレ、手錠?
Yシャツの胸元も大きく破かれている
そこから覗く無数の

・・痣・・?

え?
一体、何がっ、
「そ、総長様っ?!」
その光景が怖くて怖くて、多分、心配よりも恐怖で叫んでしまってた。
そんな状態で居る総長様にすら助けを求めてしまってた。

「!」
私の声に驚いたんだろう、総長様の瞳が動いた。
けど
「うあっっ――――っ!!」
ドン!
総長様の断末魔と同時に思いっきり突き飛ばされた。
「え・・」
私の体はその力で一気にベッド脇まで転げてしまい、思わず、ベッドのシーツを掴んだ
瞬間、指から伝わる、濡れた感触。

なに?

恐る恐る掴んだシーツを見ると、
赤い・・少ししかない灯りの中でもはっきりとわかる程の鮮血色

それはそこだけじゃなくて
シーツのあちこちに見て取れた

なに・・コレ

もしかして・・血・・なの?


「お客様には、もっとちゃんとしてくれないと。、大体、無駄な筋肉なんてつけるから抵抗できちゃうのよねぇ、ホント困った子、」
え・・「何、言って・・」
お母様はこんな総長様、ううん自分の子どもの姿を見て驚かないの?

「次はもう少し、筋肉落としてからお出ししなきゃダメね。」

それ、心配の言葉じゃ、ないよね。
ここで何が起きたのかはわかんない、けど、総長様が傷ついているのは事実。
私の事も認識できない程、怯えているのも、事実、

こんな部屋にいるから、
私ですら気持ち悪いと感じてしまうこんな部屋に居るから、
「か、帰ろ、、ね、帰ろ、総長様!」
私は突き飛ばされた場所から、おぼつく足と手で這いつくばりながら総長様に近づいて行った。
それを
「亜~弥、帰る?帰れっこないわよねぇ、」
止めたのは、お母様の言葉。

「大丈夫よ、亜弥、今、お友達がさくらを迎えに来てくれてね、一緒に帰ってもらうから。だからもう抵抗なんてしちゃだめよ?ほら、見て、この子、わかるでしょ、さくらのお友達の、まゆ?さんだっけ?」
そう言ったかと思うと、私の頭を掴んで無理やり総長様の顔の側に近づけさせられた。
「!!」
一瞬、総長様の目が見開いた。
今度は私をちゃんと見てる
私も総長様の顔がよく見えた。
だからそこにある傷、全てがわかってしまう

唇が切れてる

頬に痣・・

なんで

なんで、なんでこんな姿に、

なんでっ、

こんな酷い姿を見ても

「あなたは平気でいられるんですかっ!」
私はお母様に向かって、そう叫んでた
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