甘々顔KING総長様と地味顔女子

お・・兄様?

「ああああっ、い、あああああぁぁあ」
お母様の断末魔は続く、それはそうだよね。 顔に受けた傷よりも、ソレはもう悲惨な状態で
私までもがその光景にひいてしまってたくらいなのだから。
でも

この2人は・・

「さくらは?」
「もう哲と慧に引き渡したよ」

普通に会話をしているし、

「じゃ、後はこいつ――、」
「お前ももう帰っていいよ亜弥。」

「は?」

え?

「はいはい、さっさとどいて、後、そのペン貸して。」
そう言うと、お兄様は総長様の手からペンを取り上げた。
「なっ、」
そして私に何か渡して来た。
「?」それは小さな
「鍵?」

「まゆちゃん、亜弥とこの部屋から出たら、手錠を外してやってくれる?」
耳元で前にお会いした時と同じ心地のいい低音な声。

「//って、え?ここで外してもいいんじゃないんですか?」
なるべく早くの方がって思ったのに、
「今、自由にしちゃうと、すぐ暴れるでしょ、あいつ。」
「あ、ええ、それは・・」
「だからお願い。」
///!!
イケメンな上にその声で頼まれるとヤバい///

「未那――、っう、あんたっ、」
体が自由になったことで、俯せの姿勢となり、痛めた手を抑えているお母様はお兄様の事を睨んでいる。

「わぁ、俺をご指名してくれて嬉しいな。」
そんなの全く気にも留めない様子のお兄様はゆらゆらとお母様の前にしゃがみ込んだ。

「兄貴!」
総長様はお兄様の言動に納得がいかないらしい。
また、お母様の元へと近づこうとしてる

「亜~弥」
「なん、・・」

「・・俺に二度同じことを言わせる気?」

「―――っ!!」

!!
なに・・?この空気

怒鳴ってもいない、静かに言っただけの言葉なのに
この場の空気が一変した。

お兄様・・って一体・・


「まゆちゃん、お願いね。」
「え、あ!はい、」
いきなり名前を呼ばれてびっくりした
「そ、総長様、行こ、」
お兄様の言いつけ通りに総長様を連れ出そうと腕を引っ張った
のに、「う!」
動かない??


「早く戻ってこいよ、・・で、ねぇと、」

「わかってんよ、心配すんな。」

それだけ言葉を交わすと、総長様は、腕を掴んでいた私の手を掴み返し、逆に引っ張られる感じで部屋の外へすんなりと出てくれた
やっと、まがまがしい雰囲気の部屋から出れた、そこに残ったお兄様の事は気がかりだったけど、
とにかく今はあんな場所から総長様を連れ出せて安堵していた

「うわっ、」
そう安堵した途端、何かに足を取られた、
「な、」
見ると、廊下に男の人が寝てる・・
黒い服・・あれ?この人って私の事を捕まえた人だ
なんでこんな所で寝っ転がってんの?


「お、やっと出てきた。」
「え」
その声のした方に顔を向けると、
廊下のあちこちにも黒いスーツを着た男の人たちがうずくまってる。
そして
その中心に立つ男の人・・

髪は銀髪で、きれいな二重の切れ長の瞳

うぅわっ!すごいイケメン///!!


「和己さんが来てたんすか、は。どうりで。」
「え?」
総長様の知り合い?

「ったく、未那といい、俺の周りはなんでこう面倒かける奴ばっかなんだろうね、しかも俺のコト簡単に使いやがる、はぁ。」
会った早々に愚痴ってるこの人は、
「誰??ですか?」
思わず声に出てしまってた。

「・・LALIELって族の元総長で、兄貴の知り合いつーか、悪友?」
なぜか総長様が答えてくれて?
その和己さんて人の方へ歩き出して行く。

「亜弥、久し、ぶっ、あはははっ、何?その手錠!」
「ちっ。」
「あ!」そうだった!さっきお兄様に渡された鍵っ、て!
「えっ、あれどこにっ、わ、」
あ、さっき総長様に引っ張られた時に落とした?落としちゃったぁぁ??あの部屋に??
「いやぁぁぁ」またあの部屋に戻るなんて出来ないっ、それは嫌~~~~
「このアマっ、まさか、鍵なくしたって言うんじゃねぇだろうなぁ」
「ひぃっ!!」
「あっはははっ、ウケる!この子マジウケるわ!」
「和己さん!笑い事じゃないんすけど!」

「ぷは、はぁ、笑い死ぬわ、亜弥、手ぇ出しな」
笑いながらそう言う和己さんの前に両手首を差し出す総長様
ん?和己て人も鍵を持ってるの?

ガチャン!

「え」

両手の手錠を繋げていた鎖が・・あっという間に砕け・・た?

鍵で開けたんじゃない・・

だって、総長様の手首にはまだ手錠がはめられたまま
ただ繋がれては無くなっていた・・
その代わりに和己さんの手に光るものが見える

刃先・・
刃・・

「えええっ?!!」

それは見間違いでも勘違いでもなくて、
紛れもない刃物と呼ばれる物で・・え?
その刃先であの鉄の鎖を切った?は?切れるの?鉄を?
て、いうか、そもそもそんな物、持ってていいの?
あわあわしてる私に
「護身用だから安心していいよ~、え~っと、誰ちゃん?」
「え」護身用?だったら持っててもいいの?
「まゆ」
「は、えっっ//??!!」
いきなり、なんで総長様、私の名前をっ??
「へ~まゆちゃんっていうんだ。」
「あ」そっか、和己さんが聞いたから。うわっ///名前呼ばれただけなのに、ドキドキしちゃってるよ私

チュ。
へ・・

「え」
今・・

「っわ、和己さんっ!!」

私の唇に何か・・触れた
え・・目の前に和己さん・・?なんで

グイッ!
「うわ!」
「へ?」
和己さんとの距離が一気に遠ざかった?

手・・ううん、腕で和己さんの首を総長様が羽交い絞めにして・・る
「なにしてんすかっ、和己さん、その癖いい加減治した方がいいっすよ、」
「ぐわ、亜弥、タンマ、っ、」

何が起きたの?

ギッ!
「えっ??」わわっ、なに?総長様が私を睨んでる?
「てめぇも、簡単にキスされてんじゃねぇぞ!」

「へ」
キス・・?

え・・今、触れた感触って・・


「ええええっ??キ、キスっ///?誰にっ?!」
「は?」
「ぶはっ、まゆちゃんヤバ、可愛すぎっ。」
え―――っと、
待って、さっきの唇に触れたのって・・目の前に居たのは和己さんで・・
ってことはぁ・・

和己さんと・・ってコト?

「ひ、やぁぁぁぁあああ/////!!」
なんでなんでなんで???!!!

「亜弥、まゆちゃんもらっていい?」
「はっ//?」な・・
「ダメっす。」
「えっ?」
「ちぇ、亜弥の女かよ」
「へ?」えええええっ???///

「まだっす。」

そうそう・・そうです。

「へぇ、・・まだ、ね。」

ん?何?今の含みのある言い方
本当に総長様とは女どころか、女扱いすらしてもらえてないです。


「まぁ、冗談はコレくらいにして。」
は?
冗談って、冗談でキスしちゃうんですかっ、この人はっ、

「お前ら、もう帰れよ、後は俺が持つから」

あ・・
そうだ、未だ部屋の中からお兄様は出て来てない。
総長様から早く戻ってこいって言われてたのに

「・・はい。」
あれ?意外にもすんなりと言うコトを聞いてる

「兄貴頼みます。」
「はいよ。」
ジャラ。
手首の手錠が音を鳴らし、その手は私の腕を掴んだ。

「そ、総長様、いいの?」
あの部屋に戻れとは言わない、でもせめてここで待つくらいするのかと思ってた
「ああ、和己さんが居るなら大丈夫だ。」
それだけ言って、速足でエレベーターのある方向へと足を進めて行く
よっぽど和己さんのことを信頼しているんだ
LALIELって名前の族って言ってたっけ
総長様の暴走族と関係があるのかな。

「あの・・総長様の暴走族の名前ってなんですか?」
エレベーターの中で聞いてみた。

「あ?さくらから聞いてなかったか、」
「はぁ」

「SKULL-DHOLE。」

「・・スカルドール?」
「ああ、バイクにドクロのマーク入ってたろ、」
「あ」そういえば・・お仲間さん達のバイクにも描かれてた
「元々、兄貴のチームだったのを、俺が引き継いだって感じ」
「へぇ・・って、えっ?お兄様も暴走族だったんですかっ?」
「和己さんがLALIELを引退するのと同時に兄貴もSKULL-DHOLEを引退して大学に進んだけど、和己さんは・・」
「ん?」
なんで言葉を止めたの?

「まぁ、それはいいや、とりあえず、ここから出たら一旦、俺んちに行くぞ。」
「え?あ、はい。」
言いにくいことだったのかな。
でも、和己さんがあの倒れていた男の人達を全て倒したんだよね、ま、それは暴走族で喧嘩慣れしてるから当然なのか・・んー
だけど、あの護身用の刃物を持ってるあたり、なんだか和己さんて・・
そんな疑問を抱えたまま
エレベーターは地下に着き、私達は目の前のドアから駐車場へと出た。
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