LOVEDANGER~元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚~
「そのクリップ、もうちょい具体的にいいか?」


「はい。
実際のクリップとしての使い方としてもそうなのですけど、もっと意味もなく挟んだり…。
例えば、デスクの上のちょっとした所に付けておける、可愛い感じのもので。
後、とっさに、髪留めにもなるような大きさで」

そう言って、篤さんを見る。


先程のガンフォーマーのアイデアは、とっさの思い付きだけど、
このカプセルトイのアイデアは、以前から考えていた。


子供の時、ガチャガチャが大好きだった私は、
もし、こんなガチャガチャがあったら大人になった今でもやりたいなーって。


「---アリだな」


「えっ?いいのですか?」

私がそう訊くと、篤さんだけじゃなく、
松嶋さんも、平井さんも、岡田さんも、篠宮君も、賛成するように笑ってくれている。


「ただな…。
カプセルトイとなると、外注じゃなく、うちでとなるな…」

そう篤さんは、重い溜め息を吐く。


うちのベリトイからも、沢山のカプセルトイが発売されている。


なので、そのカプセルトイを手掛けている部署との、合同企画になるのかもしれない。


「多分だが、お前は分かってなくて、
カプセルトイの企画を言ったんだよな?」


その篤さんの言葉に、なにが?と首を傾げてしまう。


「平井、確かそうだよな?
カプセルトイの企画って?」


そう訊かれた平井さんは苦笑していて。


「はい。カプセルトイの企画は、ベンダー事業部の二課です。
その課長は、梢ちゃんのよく知る人です」


ベンダー事業部、と聞いて一番に浮かぶその人物は…。


「もしかして、私の元彼の近藤龍馬?!」


私は敬語を使う事を忘れて、平井さんに詰め寄ってしまう。



< 156 / 243 >

この作品をシェア

pagetop