LOVEDANGER~元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚~
「けど、良かったね?
昔の篤達なら、お前達どうなってたか分からないよ?
一応、彼ら今はまともだから」


ケイさんは笑いながら、その元彼達を見ているけど、それはそれで怖い。


「は?俺らは村上お前らみたいに、手足の爪全部剥いでわさび塗り込んだり、
鼻の奥に割り箸突っ込んだり、男同士でヤレとか言ったり、後、思い出せねぇけど、
んな、エグイ事やってねーし」


その篤さんの言葉は、聞いてるだけで痛々しい。


そして、ケイさんって、やはり怖い人なのだと思ってしまった。


昔、篤さんがどの程度だったのかは知らないけど。


一度、近所の公園で、兄が血まみれで倒れている高校生くらいの男性の顔を踏んでいるのを見た事がある。

それは、兄が中学一年の時で、
篤さんとつるみ始めたくらいの頃。


だから、多分、篤さんもそんな感じなんだろうな。


「昔から俺は、とりあえず向こうから先に手を出させろ、ってのと、やり過ぎるなは、篤にも後輩の瑛太達にも散々言ってたから」


そう言うのは斗希さんで。


「斗希にそう言われなくても、爪剥がしたりとか、んなエグイ事はしねーて」

篤さんはそう言って、


「昔の俺はな。
今の俺は分からねぇけど」


その元彼達を睨んでいるけど。


その篤さんの顔を見ていると、
本当にそれをやり兼ねないんじゃないかと、怖くなる。


「あ、あのさ、篤さんよく私の居場所分かったよね?」


私は話題を変えるように、そう切り出した。

この暴力的な雰囲気を変えたくて。
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