君と旅の途中







それから俺の母親の燈子と、穂希の母親の穂香さんは顔を見合わせて楽し気に笑った。
















「あらあら、本当に仲がいいわねぇ。あんなに楽しそうな都生は久しぶりに見たわ。ねえ、穂香」















「えぇ、そうねぇ。小さいころからの付き合いですものね、燈子ちゃん。これからも穂希と仲良くしてくれると嬉しいわ、都生君」
















「ちょっとお母さん⁉ 私が仲良くして『あげてる』の!」















「あはは、そうよねぇ。穂希ちゃん、いつもありがとう。ところで料理はどう?」















「めちゃくちゃ美味しそうです! 私おばさんの料理おいしいから大好き!」















まるで子供のような顔で目を輝かせる穂希に、母さんはあらあらと声を上げた。
















「穂希ちゃんがそう言ってくれておばさんうれしいわ~。ほら、都生って反抗期じゃない? 全然おいしいとか言ってくれないのよ」














「あぁ、わかります」















「おい、誰が反抗期だって?」
















母さんの言葉に真面目な顔をして頷く穂希に、つい声を上げた。















俺が反抗期だなんて、聞き捨てならねぇ。
















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